溶接アンカーを超訳!溶接アンカーの使い方

知っておきたい!溶接アンカーとは

溶接アンカーを説明する前にまずアンカーとは何か!
アンカーとは建築部材に他の部材を取り付けたるために工夫したもの、あるいは既存の躯体コンクリートと新たに用いる構造部材との接合面で、力が円滑に伝達されるように工夫されたものです。建物の基礎から躯体構造物、設備や天井等を固定するためにコンクリートに埋め込んで使われます。

そして溶接アンカーとは、コンクリートにアンカーを固定し、それを溶接することによって、部材をコンクリートに固定するためのアンカーです。溶接とは金属を溶かして接合することであり、溶接することにより強度を高めてくれるのです。主にガラス窓のサッシ枠やアルミやスチールのドア枠、シャッターレール、グレーチング受枠等の固定など溶接工事全般に使用されています。そのほかにもコンクリートに埋め込むものを仮固定する際にも使用されます。本体打ち込み式溶接アンカーはハンマーで打つことによって溶接アンカーの下部が開脚して固定されたあと、取り付けものをナットで締めるのではなく、頭を溶接して止めるのが特徴的なのです。基礎などに使われるアンカーボルトよりも本体打ち込み式溶接アンカーは全体的に小型で、施工時の打ち込みも比較的容易です。

従来の溶接アンカーの使い方

では従来の溶接アンカーはどのようにして固定していくのでしょうか。まず、所定された位置にφ10.5mmのドリルを使用し決まった深さに穴をあけていきます。所定された深さに穴をあけたら、削れた粉をダストポンプなどを使用して掃除していきます。この時穴の中の粉もしっかり掃除するようにしてください。粉をきちんと掃除したら溶接アンカーを穴に合わせてハンマーなどを使い打ち込んでいきます。きちんと打ち込みができたら溶接アンカーの下部が開脚ししっかりと固定されます。溶接アンカーの出る高さを一定にさせるように打ち込むのが重要となります。

  1. 墨出し・へりあき・はしあき位置を確認
  2. 作業道具や溶接アンカーなどを作業前に確認
  3. φ10.5mm径のドリルを選定
  4. 規定の孔深さのところにマーキングをする
  5. コンクリート面に対して直角に穿孔する
  6. 切粉が孔内に残らないように掃除して穿孔の深さを確認
  7. 溶接アンカーを挿入
  8. 溶接アンカーを打ち込み開脚されたかどうかを確認する
「はしあき」と「へりあき」位置の違い

溶接アンカーを埋め込みアンカーが底部まで達した際、下部が開脚して固定される仕組みになっているので、一度埋め込むと取り外すのが難しいので注意しましょう。

最新溶接アンカーの使い方

次に最新の溶接アンカーの使い方をご紹介します。今回ご説明する最新の溶接アンカーは日本パワーファスニングの「ウェルドコブラ」です。
ウェルドコブラの使い方は、所定された位置にφ6.4mmのドリルを使用し決まった深さに穴をあけていきます。所定された深さに穴をあけたら、削れた粉をダストポンプなどを使用して掃除していきます。この時穴の中の粉もしっかり掃除するようにしてください。粉をきちんと掃除したらウェルドコブラを穴に合わせてハンマーやコブラツールを使用し打ち込んでいきます。(コブラツールとはハンマードリルに装着するとウェルドコブラを楽に打ち込むことができます。)ウェルドコブラの頭部が大きくなっているのでコブラツールなどを使用し頭部に達するまで打ち込んでいきます。

  1. 墨出し・へりあき・はしあき位置を確認
  2. 作業道具や溶接アンカーなどを作業前に確認
  3. φ6.4mm径のドリルを選定
  4. ドリルに規定の孔深さのところをマーキングをする
  5. コンクリート面に対して直角に穿孔する
  6. 切粉が孔内に残らないように掃除して穿孔の深さを確認
  7. 溶接アンカーを挿入
  8. 溶接アンカーを打ち込み固定されたかどうかを確認する

従来と最新溶接アンカーの違い

使い方だけを見ると従来の溶接アンカーとウェルドコブラはドリルの太さが違うだけでほかに違いなんてないじゃないかと思われてしまいますがそんなことはありません。大きな違いをこれからご説明致します。

  1. ウェルドコブラの軽量化
    先ほど従来の溶接アンカーとウェルドコブラの使い方をご説明しましたが、その際にドリルの直径の長さが違いました。これはウェルドコブラは従来の溶接アンカーに比べ直径が狭いということを意味しています。従来の溶接アンカーは重さ約28gに対し、ウェルドコブラの重さは約14gと約50%軽いのです。そして長さも従来の本体打ち込み式溶接アンカーは約60mmなのに対してウェルドコブラは約45mmと軽量化だけでなく小型になりました。そのためウェルドコブラを使用する際は細い直径のドリルを使用することができるので、コンクリートに穴をあける際の抵抗が少なくて済み作業スピードが上がるのです。また、作業をする際作業員は溶接アンカーを1つだけではなく大量に身につけ作業をしています。たかだか14gの差と思われるかもしれませんが常に持ち運んでいる作業員にとっては負担が少し軽減されるのではないでしょうか。


  2. ウェルドコブラは高さを一定にできる
    従来の溶接アンカーもウェルドコブラもドリルで穴をあけたところにハンマーなどを使用して打ち込んでいきます。しかし果たしてドリルであけた穴は一定の深さなのでしょうか。
    人の手であけられた穴は多少深さが変わってくるものです。もし万が一深さが深すぎてしまった穴に従来の溶接アンカーを打ち込もうとします。穴に合わせて打ち込んでいくと突出長さが不足になってしまい、ほかの溶接アンカーと高さが合わなくなってしまいます。
    それならほかの溶接アンカーと高さを合わせて打てばいいではないかと思われる方もいらっしゃると思います。しかし、溶接アンカーは底部をきちんと当てながら打ち込まないと下部が開脚しない仕組みになっているのです。
    ということは溶接アンカーがまだ底に達していない状態でいると固定する強度が弱まってしまうのです。
    一方穴が浅かった場合はどうでしょう。
    すでに底に達してしまっているので溶接アンカーの下部は開脚してしまっています。
    しかし、まだ所定の高さに達していないので打ち込んでいこうとするのですがなかなか埋め込まれずに体力だけが消耗していくのです。このように従来の溶接アンカーが外観だけでは埋め込みの深さ不足を認識しにくいのです。

    ではウェルドコブラはどうでしょうか。従来の溶接アンカーのように下部が開脚することがありませんので、ウェルドコブラを打ち付けていき進まなくなったら、ドリルであけた穴が浅かったということがすぐにわかります。従来の溶接アンカーと違い、外観で埋め込みの深さ不足の認識が容易なのです。そして、穴が深かった場合はウェルドコブラの頭部が大きくなっているのでそこまで打ち込めば大丈夫です。なぜなら、ウェルドコブラの軸はゆがんでおり、そのゆがみがウェルドコブラをしっかり固定してくれるのです。手で軽く押し込むことができるので上向きの仮止めに使用することも可能です。このゆがみは高い技術が必要とされ他社では真似できないものなのでウェルドコブラの最大の特徴となります。


  3. コブラツールが使える
    そして何度も出てきましたが、ウェルドコブラにはコブラツールを使うことによって簡単に打ち込むことができるようになりました。コブラツールとはハンマードリル用打ち込み棒であり、ハンマードリルに装着してウェルドコブラに当てると楽々打ち込みができてしまうのです。従来の溶接アンカーはハンマーなどで力を使って打ち込んでいくので、ウェルドコブラは力の節約にも役立つのです。

最新溶接アンカー「ウェルドコブラ」の詳細

  • ウエルドコブラのサイズと仕様
※数値は日本パワーファスニング株式会社での実験における最大荷重の平均値です。許容荷重値や保証値ではありません。コンクリートの劣化状況や取付物の特製などに応じて十分な安全率を考慮してご使用ください。
  • パッケージ情報
※CB-W1055は受注生産品です。
CB-W1045はスタイリッシュな専用BOXを使用。重さは従来品の約半分